倒れていく赤い鎧。
死んでいく鬼の配下。
日と共に沈んだ智将。
突き刺した神の化身。
「・・・後悔、してない?」
左肩に刀を突き刺した相手が言った。
息も絶え絶え、きっと目は何も見ていない。
静かに睨むと、相手は血を吐いた。
「・・・ど、して・・・」
「当たり前だろ?」
独特の模様が既に何色なのか判らない。
木と体を刀で繋いでいるから、木が血を出して見える。
刀から手を離すと、相手も右手に持っていた武器を放した。
「幸村が好きだからだよ」
呪文になった言葉。
本人は暗い獄の中で、死んだ者への懺悔を止めないのに。
ごめんなさい、ごめんなさい・・・!
耳を覆って、体を小さくして、泣いている。
もう何もいらないから・・・お願いだから・・・!!
叫んだのに、俺に向かって。
俺は狂った様に大名猛将を斬り殺した。
止めてくれ、政宗殿・・・っ!!
俺の天下など・・・俺は政宗殿が居てくれればそれだけで・・・!!
もう、止められない。
ごめんな、幸村。
「・・・ハッ・・・旦那は・・・」
「・・・I know・・・」
望みもしていない。
こんな血みどろの世界。
そんなの、誰よりも知っている。
「それでも・・・殺すん、だね」
「・・・お前も、な」
相手は、笑った。
嘲るように。
だが、それは果たして・・・。
「・・・残念・・・」
言葉を残して、相手は息絶えた。
刀を抜いて、静かにその場に横倒しにした。
「・・・その言葉は」
誰に言ったことなのか。
自分自身になのか、俺になのか、幸村になのか。
「・・・最期まで掴めねぇ男だったな」
『いつか 僕が見せてあげる』
『光り輝く 世界を』
さぁ、幕は上がったばかり。
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続き・・・?
最近やりたい事が纏まらなくて驚いてます。
結構計画的にやりたい奴なので、自分。
え、原稿はどうだったって?聞こえません、聞きません(最低
あと2回の夏休みを満喫します。
・・・まぁ、バイト三昧だけどね。
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