「花は桜木、人は武士」
誰かがそう言っていたのは小さなときだったのに、今でも覚えている。
結構物覚えが悪いし、すぐに忘れる方なので珍しいと思う。
どうして花は桜が良いのだろう。
逆に椿など花が落ちるものは縁起が悪いと聞く。
椿(それ)と首が重なるということらしい。
桜舞う春先。
とはいえ寒い時期だが、珍しく暖かい日だったからか、桜が咲いていた。
それを寝巻き同然の姿で立ち尽くして見ていると、背後に気配が降り立った。
「旦那。風邪引くよ?」
「あぁ、すまないな」
上着を肩に乗せ、佐助は「どうってこた無いけど」と笑う。
「旦那が団子も無しに花見なんて珍しいと思ってさ」
「・・・そうだな。ただあまりにも美しくて、悲しそうだったから」
え、と佐助は目を丸くする。
確かに綺麗な桜だが、どこが悲しそうなのか判らなかった。
「佐助。花は桜木、という言葉を知っているか?」
「え?まぁ知ってるけど・・・旦那は桜嫌いなの?」
「好きだぞ。仄かに甘い香りも、この淡い桃色も・・・でもな、その言葉に同意が出来ん」
「どうして?」
幸村の隣に立つ佐助は桜を見上げた。
ぽつぽつと、だが少しずつ「春」を思わせる小さな花。
だが1つ1つが小さくても、それが集まれば壮大な花になる。
まるで幹を茎にしてしまうかのようなそれは、どちらかと言えば嫌う人間の方が少ないだろう。
現に佐助も桜は好きだ。
優しい香り、色・・・それに春は人の心も温かくなる。
その春を思わせる花を見て、幸村に視線を戻した。
「・・・誰に聞いたかは覚えていないがな」
恐らく祖父(じじ)様だろうと幸村は前置きしてから続ける。
「『桜は人が泣いているようだ』と言っていた」
「・・・なるほどね」
はらり、と。
花びらが落ちるのと、涙が落ちるのとは確かに似ているかもしれない。
落ちても尚美しいという所も似ていると思う。
「だから春は冬に亡くしたものを泣いているんだと思う」
「冬に?」
「・・・冬は長い。食べ物も減るし、なにより寒い」
「まーね。北はもっと寒・・・」
口を閉じたのは逆効果だったかもしれない。
佐助はしまった、という顔をしたまま幸村を見た。
幸村は困ったように笑い返すだけだ。
「そうだな・・・政宗殿はもっと寒いだろうな。春もずっと先だろう」
「桜・・・春は短いから、その間にあった悲しいことを全部泣いてるってこと?」
「あぁ。だから寂しい・・・特に夜は」
綺麗に映える桃色を思い、幸村は目を閉じた。
「・・・じゃあ俺様の番ね」
佐助は木の幹に触れ、木目をなぞった。
何の意味も無い行動だが、佐助の口元は優しく緩んでいる。
「俺の知り合いは『春を喜んで泣くんだ』って言ってた」
「・・・喜んで?」
「そう。あぁ、やっと春が来た。良かった、今年も春が来た・・・って」
「今年も、春が・・・」
幸村は佐助を丸くした目で見ていたが、空を見上げた。
桜の小さな花は閉じかけているが、よく映えるので見つけるのは容易い。
「んー、けどやっぱ泣いちゃうなら悲しいのかな?」
首を傾げた佐助に幸村は優しく笑う。
「いや、嬉しいなら咲き零れる涙もあるだろう。某はそっちの方が良い」
「・・・そうだねぇ・・・悲しいより嬉しい方がいいよね」
綺麗に咲くそれは未だ散りはしない。
今日は少し暖かかったから咲き零れただけで、明日になればまたきつく目を閉じるだろう。
それは北にある地も同じだろう。
「そうだ、佐助。それは片倉殿が言っていたのか?」
「ううん、違うよ」
手を横に振り、佐助はにこりと笑った。
「龍の旦那が。あ、旦那の顔が赤くなった」
顔を指差されて、幸村は佐助に背を向けた。
「あぁあ赤くなどなっておらん!!」
「はいはい。ほら、もう部屋入って寝なさい」
「・・・そうだな、そうする」
肩を叩かれ、幸村は部屋へと歩き出した。
(政宗殿がそう考えられるなんて・・・意外だ)
でも同時に。
(・・・政宗殿らしいな)
咲き誇るそれが見れる頃には会えるだろうか。
今はまた眠るだろうこの桜と共に眠っていよう。
遠くには三日月が見えている夜のこと。
---
↑実際は小十郎から政宗の言っていたことを聞いた佐助。
本当誰か(もしくは何か)で言ってた気がすんだよなー。
っていうのを題材に書いてみました。
今日暖かくて気持ちよくて何度も出掛けちゃったよ(仕事はどうした/放っといて
幸村はアホなんだけどバカじゃないんです。
もっと言っていいなら自分は二の次なんです。
親方様<政宗殿<佐助<他の方々<兵士<自分 みたいな。
因みに政宗はといえば。
幸村<天下<国<小十郎<その他部下さん&民<自分<他の奴<佐助 です。
どんだけ嫌いなのっていう位嫌い合ってれば良いよ佐助と政宗は。
でも小十郎と幸村はそんなに敵対してない感じが良い。
題名はYOU/T/U/B/Eから。聞きながら書いてます。好きです。でもSEEDは良く判らん(おい
サイトを更新出来ないので日記を細々と頑張ります。
ごめんなさい昨日の日記見て心配してくれた方がいらっしゃるならここで謝罪します。
またURL変えたりなんだりするだろうけどサイトは運営してて(あんましてないけど)、
とっても楽しいので(もう趣味なんじゃん?位好きです)続けます。
・・・ただヤヴァイのは過去のもんにまた火が付きそうってことで。
三国またブム来てしまったいやだぁあああ!!いや良いんだけどね!
ハマるとその他扱い出来ない事になるから嫌なんですよ。
WJ系は携帯で運営しようと思ってるんで大丈夫なんですが・・・三国って歴史系なんですよね。
いや三国ハマったから歴史ハマったんだけどさ。歴史系創作とかやったんだけどさ。
無双/5買いそうで怖い!!寧ろPS3買いそうで怖い!!PSPが欲しいよ!!(知るか
否寧ろラブレボDSやりたい・・・資料を!誰か資料をぉお!!
興味のある方だけ反転どぞ↓(上の叫びの理由/かーなーり!どうでも良い
ラブレボ合わせだそうです。シュウ助(ぇ)ハリキってるんで妥協したくないです。
パステルカラーと私の黄土肌をどうしようって事なんですよ問題は。
浮かないファンデ探す・・・否もう日焼け止め探すか!!(今年は焼かない目標
今のところシュウ→2番くん、私→3番くん・・・です!
もしかしたら1番くん来るかもだけどまだ未定なので・・・合わせもね!でも早めが良いってさ!暑いから!
あー・・・クライマックス/刑事とチョッパ/ーとケ/ロロ見たい~!!(映画
誰かがそう言っていたのは小さなときだったのに、今でも覚えている。
結構物覚えが悪いし、すぐに忘れる方なので珍しいと思う。
どうして花は桜が良いのだろう。
逆に椿など花が落ちるものは縁起が悪いと聞く。
椿(それ)と首が重なるということらしい。
桜舞う春先。
とはいえ寒い時期だが、珍しく暖かい日だったからか、桜が咲いていた。
それを寝巻き同然の姿で立ち尽くして見ていると、背後に気配が降り立った。
「旦那。風邪引くよ?」
「あぁ、すまないな」
上着を肩に乗せ、佐助は「どうってこた無いけど」と笑う。
「旦那が団子も無しに花見なんて珍しいと思ってさ」
「・・・そうだな。ただあまりにも美しくて、悲しそうだったから」
え、と佐助は目を丸くする。
確かに綺麗な桜だが、どこが悲しそうなのか判らなかった。
「佐助。花は桜木、という言葉を知っているか?」
「え?まぁ知ってるけど・・・旦那は桜嫌いなの?」
「好きだぞ。仄かに甘い香りも、この淡い桃色も・・・でもな、その言葉に同意が出来ん」
「どうして?」
幸村の隣に立つ佐助は桜を見上げた。
ぽつぽつと、だが少しずつ「春」を思わせる小さな花。
だが1つ1つが小さくても、それが集まれば壮大な花になる。
まるで幹を茎にしてしまうかのようなそれは、どちらかと言えば嫌う人間の方が少ないだろう。
現に佐助も桜は好きだ。
優しい香り、色・・・それに春は人の心も温かくなる。
その春を思わせる花を見て、幸村に視線を戻した。
「・・・誰に聞いたかは覚えていないがな」
恐らく祖父(じじ)様だろうと幸村は前置きしてから続ける。
「『桜は人が泣いているようだ』と言っていた」
「・・・なるほどね」
はらり、と。
花びらが落ちるのと、涙が落ちるのとは確かに似ているかもしれない。
落ちても尚美しいという所も似ていると思う。
「だから春は冬に亡くしたものを泣いているんだと思う」
「冬に?」
「・・・冬は長い。食べ物も減るし、なにより寒い」
「まーね。北はもっと寒・・・」
口を閉じたのは逆効果だったかもしれない。
佐助はしまった、という顔をしたまま幸村を見た。
幸村は困ったように笑い返すだけだ。
「そうだな・・・政宗殿はもっと寒いだろうな。春もずっと先だろう」
「桜・・・春は短いから、その間にあった悲しいことを全部泣いてるってこと?」
「あぁ。だから寂しい・・・特に夜は」
綺麗に映える桃色を思い、幸村は目を閉じた。
「・・・じゃあ俺様の番ね」
佐助は木の幹に触れ、木目をなぞった。
何の意味も無い行動だが、佐助の口元は優しく緩んでいる。
「俺の知り合いは『春を喜んで泣くんだ』って言ってた」
「・・・喜んで?」
「そう。あぁ、やっと春が来た。良かった、今年も春が来た・・・って」
「今年も、春が・・・」
幸村は佐助を丸くした目で見ていたが、空を見上げた。
桜の小さな花は閉じかけているが、よく映えるので見つけるのは容易い。
「んー、けどやっぱ泣いちゃうなら悲しいのかな?」
首を傾げた佐助に幸村は優しく笑う。
「いや、嬉しいなら咲き零れる涙もあるだろう。某はそっちの方が良い」
「・・・そうだねぇ・・・悲しいより嬉しい方がいいよね」
綺麗に咲くそれは未だ散りはしない。
今日は少し暖かかったから咲き零れただけで、明日になればまたきつく目を閉じるだろう。
それは北にある地も同じだろう。
「そうだ、佐助。それは片倉殿が言っていたのか?」
「ううん、違うよ」
手を横に振り、佐助はにこりと笑った。
「龍の旦那が。あ、旦那の顔が赤くなった」
顔を指差されて、幸村は佐助に背を向けた。
「あぁあ赤くなどなっておらん!!」
「はいはい。ほら、もう部屋入って寝なさい」
「・・・そうだな、そうする」
肩を叩かれ、幸村は部屋へと歩き出した。
(政宗殿がそう考えられるなんて・・・意外だ)
でも同時に。
(・・・政宗殿らしいな)
咲き誇るそれが見れる頃には会えるだろうか。
今はまた眠るだろうこの桜と共に眠っていよう。
遠くには三日月が見えている夜のこと。
---
↑実際は小十郎から政宗の言っていたことを聞いた佐助。
本当誰か(もしくは何か)で言ってた気がすんだよなー。
っていうのを題材に書いてみました。
今日暖かくて気持ちよくて何度も出掛けちゃったよ(仕事はどうした/放っといて
幸村はアホなんだけどバカじゃないんです。
もっと言っていいなら自分は二の次なんです。
親方様<政宗殿<佐助<他の方々<兵士<自分 みたいな。
因みに政宗はといえば。
幸村<天下<国<小十郎<その他部下さん&民<自分<他の奴<佐助 です。
どんだけ嫌いなのっていう位嫌い合ってれば良いよ佐助と政宗は。
でも小十郎と幸村はそんなに敵対してない感じが良い。
題名はYOU/T/U/B/Eから。聞きながら書いてます。好きです。でもSEEDは良く判らん(おい
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ごめんなさい昨日の日記見て心配してくれた方がいらっしゃるならここで謝罪します。
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とっても楽しいので(もう趣味なんじゃん?位好きです)続けます。
・・・ただヤヴァイのは過去のもんにまた火が付きそうってことで。
三国またブム来てしまったいやだぁあああ!!いや良いんだけどね!
ハマるとその他扱い出来ない事になるから嫌なんですよ。
WJ系は携帯で運営しようと思ってるんで大丈夫なんですが・・・三国って歴史系なんですよね。
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興味のある方だけ反転どぞ↓(上の叫びの理由/かーなーり!どうでも良い
ラブレボ合わせだそうです。シュウ助(ぇ)ハリキってるんで妥協したくないです。
パステルカラーと私の黄土肌をどうしようって事なんですよ問題は。
浮かないファンデ探す・・・否もう日焼け止め探すか!!(今年は焼かない目標
今のところシュウ→2番くん、私→3番くん・・・です!
もしかしたら1番くん来るかもだけどまだ未定なので・・・合わせもね!でも早めが良いってさ!暑いから!
あー・・・クライマックス/刑事とチョッパ/ーとケ/ロロ見たい~!!(映画
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