腹部から背部にかけての突き刺さる熱。
ドクドクと溢れる、血液の池に俺は居る。
呼吸さえも薄く、細く・・・視界が揺らぐ。
その中で目を離せない、蒼。
全てを奪った。
全てを、その六本の龍の爪で、奪っていった。
皆、死んだ。
力不足とか、そういうことじゃなく。
勝てなかった。
目の前の男の「強さ」は・・・まさに「人外」。
その男と、俺はずぅっと愛し合えると思っていた。
違った。
その結果が「これ」だ。
俺は地面に伏せ、生死を彷徨っている。
相手は俺を見下し、ただ、見ている。
その瞳と、目が合う。
鋭い。
その中にある、不安と悔やみを俺は汲み取れた。
それ程に、一緒に居た。
それ程に、愛し合った。
なのに・・・もう、終わってしまう。
「・・・ッ何故・・・ッ!!」
全てを奪ってしまう?
俺の心は、全部・・・。
あなたのものなのに。
「・・・ッもう、許し、は・・・せぬぞ・・・ッ!!」
幾千の死骸。その死骸に、俺も並ぶのだ。
許せないのは、誰のことだろう。
部下を殺した相手か。
部下を殺してしまった俺か。
「hun?何を言ってるんだ・・・幸村」
優しい声が、怖い。
怖いのに、「怖い」と体も表現しているのに・・・。
抱きしめたかった。
何故、そんなに無理をしているのか、聞きたかったけれど。
それはこの体では無理だと知っているから。
最期に、抱きしめて、感じたかった。
体温も、香りも、その悲しみさえも。
「俺はお前だけだ」
暗くなる視界の中で、その声を聞く。
あぁ、なんて悲しそうな声なのだろう。
狂気を感じ、怒りを感じているのに。
その中でも、見捨てないでくれた「恋人」が「愛しい」。
「愛してるぜ・・・お前の全てを、な」
甘い言葉は毒を孕んで俺を貪る。
それを「是」とする俺を、この人は許してくれるだろうか。
抱き上げてくれたことが嬉しい。
名を呼んでくれることが嬉しい。
軽く口付けてくれることが嬉しい。
例え俺が死にそうで、
例え相手が俺を殺そうとしてても。
俺はあなたの「鳥籠」の中。
「赤い虎」は媚びて、「龍」を決して離さない。
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暗ッ!!
幸村どうしちゃったのYO!!あなたは叫んでいるのが似合うのYO!!
・・・いや、書いたの我ですが・・・(汗
「これ何か思い出すことがあるなぁ~」って考えてたら、
高校の時に同人にしたいと思ったダテサナR18?のシリアスハッピーエンドの話だった!
けど何話かに分けてて、・・・その内消化しよう、かな・・・。
5月27日 狂慎謹言
サークル名「甘雨」、嵩紫青、E30だそうです!
あ、他人行儀な台詞だけどちゃんと自分で調べました(笑
ちょっと大手さん調べまくって今からハァハァしとります。
原稿は今週中には脱稿!予定!!
・・・今週2つも小テストあるのになぁ・・・(汗
まぁドンマイ!(ェ
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