俺だったら嬉しい(何が
えーと、APHは相変わらずダメでした。好きでした。
にーにが。
ヨンスもいいけどね、かおる君も気になるけどね!!
どっちにしろアジアは可愛いんだぜ!!
・・・最近日記に何を書いていいのか判らなくなってきているショウです。こんばんわ。
さぁさ今日はこじゅさす祭り最終日ですね。
・・・思い起こせば弟の夏休みの宿題と一緒に始めたこの小説。
一ヶ月以上経ってるじゃねぇか・・・!!
まぁその内適当に改装して何とか記載出来たらいいなぁちゃんとなんて思ってます。
駄文は承知ですよ。知ってます、スイマセン。読むのは大好きなんです。
そいではお待たせしました。
注意書きは読んでから行きましょうね?(前々回?位前参照
それではどうぞ。
えーと、APHは相変わらずダメでした。好きでした。
にーにが。
ヨンスもいいけどね、かおる君も気になるけどね!!
どっちにしろアジアは可愛いんだぜ!!
・・・最近日記に何を書いていいのか判らなくなってきているショウです。こんばんわ。
さぁさ今日はこじゅさす祭り最終日ですね。
・・・思い起こせば弟の夏休みの宿題と一緒に始めたこの小説。
一ヶ月以上経ってるじゃねぇか・・・!!
まぁその内適当に改装して何とか記載出来たらいいなぁちゃんとなんて思ってます。
駄文は承知ですよ。知ってます、スイマセン。読むのは大好きなんです。
そいではお待たせしました。
注意書きは読んでから行きましょうね?(前々回?位前参照
それではどうぞ。
(前回から続いています)
何だと思って見てみると、眼鏡をかけ帽子を被っている男が居た。
「あ・・・」
「スイマセンけど、坊ちゃんに手を出さないでくれませんか?」
伊達眼鏡をかけたその男はニヤリと口元を歪めると幸村と政宗を見た。橙の髪の毛が帽子からはみ出ていて、正直変装になってない気がする。
「あぁん?引っ込んでろ・・・ッ!?」
「手を出さないでくれません?って、聞こえませんでしたか?」
傍に寄ってきた男の襟首を引き寄せ、佐助は冷たい瞳で男を睨んだ。怯んだ男が周囲の男達を呼ぶと、佐助は男達に囲まれてしまった。狭い道なので不利だと政宗は思ったが、男達が殴りかかると政宗は佐助の行動に驚いた。
「大切な奴の前で倒れてたまっかよ。俺は幸を守んなきゃいけねぇんだよ」
幸村に聞こえたかは分からないが、確かに佐助はそう言った。正面の男の拳を軽く流し、勢いで前に迫った鳩尾に肘を入れ、横から来た男に蹴りを入れる。そのまま蹴った足を地に付けると共に体を縮め、背後の攻撃を避けた。
「佐助・・・喧嘩など、高校以来なのに・・・」
「Un・・・?」
「・・・政宗先輩が1年の頃、不良で有名だったのは佐助なのだ」
随分前に卒業した男の中に非道な不良が居るという話をした事があった。普段は問題など起こすと思わない男らしいという事を聞いて興味は削がれたのだが、確かにあの橙色は見た事があった。
いつも1人で屋上に居た男だ。1度だけ話をした事があったのを思い出して、政宗は佐助を見た。柔らかい体なのか、塀を使って男達を迎え撃っていた。
「だが・・・まだ怪我が・・・」
「What!?おい、幸む」
言うより早く、黒いスーツが正面を通り過ぎた。
(あーやべ、ズキズキするよ腹)
前の喧嘩傷がまだ癒えて無い佐助は脂汗をかきながら苦笑した。幸村と政宗から除々に距離を取り、男2人を戦闘不能にしたのは良いが、段々男達の攻撃がエスカレートになっている。避ける拳は正直当たったら痛そうだし、蹴りで頬をかすめただけで血が出るなんてどんだけキレがいいんだとツッコミたくなる。
「・・・っのやろ!!」
「・・・!!」
パチン、と音がして危ないと気付き、後ろに下がった。斜めに腕を振った男の手にはナイフが握られていて、佐助の服の胸元に一文字の赤い筋が残る。
「・・・いつ・・・っ」
傷を抑えるが、有利と思った男はナイフを手に佐助を攻めた。避けるしかねぇだろ、と佐助は眼鏡を思い切り投げつけた。正直かなりお気に入りで、出来れば壊したくなかったが、命には代えられない。
(・・・っヤベ!!)
思わぬ角度からの攻撃に体制を崩し、佐助は尻餅をついた。痛みに顔を顰め、すぐに男の姿に蒼白になった。
(・・・終わる)
酷く冷静にそう思った。
「・・・テメェ」
男の手が後ろに引かれているのに気付き、背後を見た。
「どいつに手ぇ出してんだ・・・?」
髪を乱し、恐ろしい顔で男を睨みつけている小十郎に、佐助は言葉が出なかった。
「ひ、ひぃぃいい!!」
「・・・薬の臭い。まぁ、良い・・・今は眠ってろ」
冷静にそう伝えると、骨が折れたんじゃないかと思う音がして、男が泡を吹いて倒れた。それを見送ると、小十郎が佐助の正面に座った。
「・・・あ、の、傷なら、平気だから」
「政宗様」
佐助の傷を眺めた後、小十郎は政宗を振り返った。見ると、心配そうに佐助を見守っている。幸村は既に泣きそうだ。
「今日は屋敷にて真田と勉強をなさって下さい。もうそろそろ4人ほど護衛で来ますので」
「・・・お前は?」
「帰ります。この怪我人もどうにかしないといけないので」
「え!?ちょ・・・っ!!」
横抱きにされて驚く佐助と視線は一切交わさず、小十郎は政宗に頭を下げた。
「・・・悪かったな」
「・・・そう思ってくれただけでも、小十郎は嬉しいです」
「・・・・・・小じゅ」
「ですが、明日は説教ですので。逃げないように」
「・・・・・・・・・・・・OK」
苦虫を噛んだような顔の政宗の頭を撫で、駆け寄ってくる組の者に後の事を任せて家に戻った。小十郎のマンションまでは3分もかからず、その間何も話さなかった。
抑えている手には血がべっとり付いているが、そんなに痛みも感じない。あの時の自分の勘に感謝しつつ、佐助は何も言わない小十郎に戸惑った。
「・・・あの、小じゅ」
「黙ってろ」
「・・・・・・」
黙っていると色々悪い事が浮かんできて、佐助は混乱した。
部屋に入る小十郎に続いたが、玄関で足が止まった。
「・・・おい」
「・・・本当、俺大丈夫だからさ・・・」
「・・・」
若干の声の震えに気付いた小十郎は佐助の元に進んだ。怒られる事を怖がったのか、それとも小十郎自身を怖がったのかは判らないが、佐助は方を小さく跳ねた。
それに気付いたが、小十郎は佐助の頭を撫でた。触られるのが嫌だとうよ思ったが、どうしようも無かった。
「・・・・・・」
暫く撫でられた佐助が小十郎を見上げると、ゆっくり抱き寄せる腕に気付いた。抵抗しようとは思わなかった佐助は、すっぽりと小十郎の中に納まった。
体に押し付けるように更に抱き寄せようとする小十郎に笑みが零れ、佐助は手を小十郎の背中に回した。
「・・・ありがと、助けてくれて」
「・・・馬鹿が。だから嫌だったんだよ」
巻き込むことを元々良しとしなかった事を思い出し、佐助は小さく頷いた。ふと思い出した事があり、佐助は小十郎から離れた。
「あぁっ!やっぱ血が付いてる!!」
「え・・・あぁ、そうだな」
「そうだなじゃなくて!早く脱いで洗わないと駄目でしょ!」
「・・・そうか」
佐助の目の前で脱ぎだす小十郎に流石に驚いたが、Yシャツの中から露になりだした肌を見ていると緊張してしまう。視線が外せない位逞しい体が艶かしいのもある。
「・・・あの、向こうで脱いで欲しいんだけど」
知り尽くした部屋なので脱衣所の方を指差したが、小十郎はシャツの襟元を広げて見せた。
「早く脱げって誘ったのはお前だろ?」
「は!?誤解だよそれ!!もーいいからさっさと行け!風呂場に!!」
顔を赤くする佐助に噴き出し、小十郎は佐助の手を取って風呂場に向かった。何をするのかと思えば服の上から水を浴びせた。張り付く服に気持ち悪さを感じたが小十郎が真面目に傷口を洗うので何とも言えない。
「・・・先に胸の消毒しとけ。それと俺の服勝手に漁れ」
さっさと出ろと言わんばかりの小十郎に首を傾げ、佐助はそれでも浴室から出て服を脱いだ。
(・・・危うく手を出す所だった)
風呂場に残った小十郎は頭から水を被って反省した。
部屋に移動した佐助は小十郎の部屋から丈の合わないズボンを探すとすぐに穿いて救急箱に手を伸ばした。
「・・・思ったより浅そ・・・良かった」
前に一度マネージャーに怒られた過去があり、佐助は安心して消毒液を吹きかけた。染みすぎて正直泣きそうだったが、そこは耐えた。
「どうだ?傷は」
「ん、思ったよりも大丈夫そう。小十郎さんは?左手」
「・・・人の心配はするんだな」
隠していたらしい左手を出すと、力一杯に殴ったのか肌が抉れて骨が見えている。佐助は眉間に皺を寄せ、小十郎を手招きした。
「全くもう・・・小十郎さんてキレると手に負えない人でしょ?」
「さぁな。最近はキレた事も無かったから知らねぇよ」
「・・・・・・」
手に包帯を巻きながら佐助は顔が熱くなるのを感じた。聞きようによってはそれだけ「本気」だったという事になる。大きな手に白い包帯は痛々しかったが、似合っているとも思った。
「ハイ終わり」
「・・・ありがとな」
「どういたしまして。・・・」
「・・・」
沈黙が痛い。
佐助は煩い心臓に戸惑い、何も出来ない。小十郎は手当てをしていた場所から退かないが、それは佐助を信頼しているからだと思っている。救急箱に色々戻しながら佐助はこれからどうしようかを考えた。
「・・・佐助」
「何?」
「怖くなかったのか?ガキの喧嘩とは違ったんだぞ?」
「・・・小十郎さん、その内ガキに刺し殺されても知らないよ?最近のガキは武器なら何でもいいんだからさぁ。普通に殴り合いしてた時代じゃないんだから」
いかにも「経験者です」という発言に小十郎は言葉が出ない。ジェネレーションギャップとまではいかないが多少ショックがあったのは確かだ。
「そういう場所を、お前は過ぎてきたと」
「まぁね。幸が来てからは大人しくしてたんだけど・・・あ」
「やっぱりか」
腕を組んで溜め息を零す小十郎に佐助はばつが悪そうに俯いた。
「・・・そんな誘導尋問しなくたっていいじゃん・・・」
「ほぼ確定だろ。・・・で、どうだったよ?」
「・・・なんで?喧嘩なんていいもんじゃないでしょ?どっちかが怪我すんだから」
平和主義者だと言いたいらしいがやっている事が既に非平和主義者だ。
それでも道理を通す佐助に小十郎は苦笑した。
「・・・ああいうのに、俺はよく巻き込まれる」
「だろうね。坊ちゃんのボディガードなら」
「怪我だってこんなモンが済まねぇ時もある」
「よく小指無い人見るもんね」
「お前を今日みたいに巻き込んじまうかもしれねぇ」
「もう巻き込んだじゃん」
「もっと怖い思いをさせちまうかもしれねぇ」
「・・・何が言いたいの?」
佐助が流石に疲れたという顔で小十郎を見上げると、いつもより真剣に佐助を見ていた。元々男前な顔立ちをしているのもあり、佐助は顔が熱くなる。
「・・・俺は、な」
それでも小十郎から目を離さない出ると、小十郎が視線を外して咳払いをした。顔は些か赤い。
「その・・・この歳になって何なんだが、守りたい奴が出来た」
佐助の目をしっかりと見て小十郎は言った。だが、次に話す時には眉間に皺が寄っている。
「でも、怖い思いはさせたくねぇ。だから嫌なら嫌って言って欲しい」
「・・・小十郎さん、俺に何が言いたいの?」
「・・・それは、だな」
佐助は小十郎が何を言いたいのか判っていて聞いた。小十郎の手を取り、佐助は首を傾げて見せた。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・好きだ、お前のことが」
「・・・よく言えました」
沈黙の後の言葉に佐助は満足そうに笑った。小十郎はその一言に顔を赤くして怒鳴ろうとしたが、身を乗り出した佐助にそれは止められた・
「・・・こういう時は俺からするもんだろ」
「決まってないでしょ?そんなの。俺様がしたかったんだから」
「とんだ奴好きになっちまったな」
佐助の背に腕を回し、小十郎は口元を綻ばせた。佐助はその行動に驚いたが、小十郎の首に腕を回した。
「・・・今日はどうする?」
「ん?ご飯食べて帰るよ。家に帰っても幸居ないだろうし」
「いや、そうじゃなくて」
佐助の顎を持ち上げ、唇を舐めると小十郎は悪戯っぽく笑った。
「泊まんねぇのか?」
「・・・怪我人に手ぇ出すんですか、最近は」
佐助から離れると小十郎はキッチンの方へ歩いて行った。佐助はそれを見送り、口元を指で拭った。
「何期待してんだ?別に何もなくても構わねぇよ」
「・・・絶対何かするくせに」
「若いってのは良いもんだな、元気で」
「あんたまだ29だろ!?」
流石に恥ずかしくなり、佐助は小十郎に言い返した。
二人が明日、どうなっているのかはこれからの行動次第。
小十郎は「飼い猫」を見て、優しく笑った。
あとがき
…やりたいことをやったので言い残すことはない。
だがあえて言おう!これは駄文だ!!
それでも読んで下さった人がいるならショウは本望です。
お付き合いありがとうございました。
出来たらこの設定膨らませたいなぁ…無理かな?
何だと思って見てみると、眼鏡をかけ帽子を被っている男が居た。
「あ・・・」
「スイマセンけど、坊ちゃんに手を出さないでくれませんか?」
伊達眼鏡をかけたその男はニヤリと口元を歪めると幸村と政宗を見た。橙の髪の毛が帽子からはみ出ていて、正直変装になってない気がする。
「あぁん?引っ込んでろ・・・ッ!?」
「手を出さないでくれません?って、聞こえませんでしたか?」
傍に寄ってきた男の襟首を引き寄せ、佐助は冷たい瞳で男を睨んだ。怯んだ男が周囲の男達を呼ぶと、佐助は男達に囲まれてしまった。狭い道なので不利だと政宗は思ったが、男達が殴りかかると政宗は佐助の行動に驚いた。
「大切な奴の前で倒れてたまっかよ。俺は幸を守んなきゃいけねぇんだよ」
幸村に聞こえたかは分からないが、確かに佐助はそう言った。正面の男の拳を軽く流し、勢いで前に迫った鳩尾に肘を入れ、横から来た男に蹴りを入れる。そのまま蹴った足を地に付けると共に体を縮め、背後の攻撃を避けた。
「佐助・・・喧嘩など、高校以来なのに・・・」
「Un・・・?」
「・・・政宗先輩が1年の頃、不良で有名だったのは佐助なのだ」
随分前に卒業した男の中に非道な不良が居るという話をした事があった。普段は問題など起こすと思わない男らしいという事を聞いて興味は削がれたのだが、確かにあの橙色は見た事があった。
いつも1人で屋上に居た男だ。1度だけ話をした事があったのを思い出して、政宗は佐助を見た。柔らかい体なのか、塀を使って男達を迎え撃っていた。
「だが・・・まだ怪我が・・・」
「What!?おい、幸む」
言うより早く、黒いスーツが正面を通り過ぎた。
(あーやべ、ズキズキするよ腹)
前の喧嘩傷がまだ癒えて無い佐助は脂汗をかきながら苦笑した。幸村と政宗から除々に距離を取り、男2人を戦闘不能にしたのは良いが、段々男達の攻撃がエスカレートになっている。避ける拳は正直当たったら痛そうだし、蹴りで頬をかすめただけで血が出るなんてどんだけキレがいいんだとツッコミたくなる。
「・・・っのやろ!!」
「・・・!!」
パチン、と音がして危ないと気付き、後ろに下がった。斜めに腕を振った男の手にはナイフが握られていて、佐助の服の胸元に一文字の赤い筋が残る。
「・・・いつ・・・っ」
傷を抑えるが、有利と思った男はナイフを手に佐助を攻めた。避けるしかねぇだろ、と佐助は眼鏡を思い切り投げつけた。正直かなりお気に入りで、出来れば壊したくなかったが、命には代えられない。
(・・・っヤベ!!)
思わぬ角度からの攻撃に体制を崩し、佐助は尻餅をついた。痛みに顔を顰め、すぐに男の姿に蒼白になった。
(・・・終わる)
酷く冷静にそう思った。
「・・・テメェ」
男の手が後ろに引かれているのに気付き、背後を見た。
「どいつに手ぇ出してんだ・・・?」
髪を乱し、恐ろしい顔で男を睨みつけている小十郎に、佐助は言葉が出なかった。
「ひ、ひぃぃいい!!」
「・・・薬の臭い。まぁ、良い・・・今は眠ってろ」
冷静にそう伝えると、骨が折れたんじゃないかと思う音がして、男が泡を吹いて倒れた。それを見送ると、小十郎が佐助の正面に座った。
「・・・あ、の、傷なら、平気だから」
「政宗様」
佐助の傷を眺めた後、小十郎は政宗を振り返った。見ると、心配そうに佐助を見守っている。幸村は既に泣きそうだ。
「今日は屋敷にて真田と勉強をなさって下さい。もうそろそろ4人ほど護衛で来ますので」
「・・・お前は?」
「帰ります。この怪我人もどうにかしないといけないので」
「え!?ちょ・・・っ!!」
横抱きにされて驚く佐助と視線は一切交わさず、小十郎は政宗に頭を下げた。
「・・・悪かったな」
「・・・そう思ってくれただけでも、小十郎は嬉しいです」
「・・・・・・小じゅ」
「ですが、明日は説教ですので。逃げないように」
「・・・・・・・・・・・・OK」
苦虫を噛んだような顔の政宗の頭を撫で、駆け寄ってくる組の者に後の事を任せて家に戻った。小十郎のマンションまでは3分もかからず、その間何も話さなかった。
抑えている手には血がべっとり付いているが、そんなに痛みも感じない。あの時の自分の勘に感謝しつつ、佐助は何も言わない小十郎に戸惑った。
「・・・あの、小じゅ」
「黙ってろ」
「・・・・・・」
黙っていると色々悪い事が浮かんできて、佐助は混乱した。
部屋に入る小十郎に続いたが、玄関で足が止まった。
「・・・おい」
「・・・本当、俺大丈夫だからさ・・・」
「・・・」
若干の声の震えに気付いた小十郎は佐助の元に進んだ。怒られる事を怖がったのか、それとも小十郎自身を怖がったのかは判らないが、佐助は方を小さく跳ねた。
それに気付いたが、小十郎は佐助の頭を撫でた。触られるのが嫌だとうよ思ったが、どうしようも無かった。
「・・・・・・」
暫く撫でられた佐助が小十郎を見上げると、ゆっくり抱き寄せる腕に気付いた。抵抗しようとは思わなかった佐助は、すっぽりと小十郎の中に納まった。
体に押し付けるように更に抱き寄せようとする小十郎に笑みが零れ、佐助は手を小十郎の背中に回した。
「・・・ありがと、助けてくれて」
「・・・馬鹿が。だから嫌だったんだよ」
巻き込むことを元々良しとしなかった事を思い出し、佐助は小さく頷いた。ふと思い出した事があり、佐助は小十郎から離れた。
「あぁっ!やっぱ血が付いてる!!」
「え・・・あぁ、そうだな」
「そうだなじゃなくて!早く脱いで洗わないと駄目でしょ!」
「・・・そうか」
佐助の目の前で脱ぎだす小十郎に流石に驚いたが、Yシャツの中から露になりだした肌を見ていると緊張してしまう。視線が外せない位逞しい体が艶かしいのもある。
「・・・あの、向こうで脱いで欲しいんだけど」
知り尽くした部屋なので脱衣所の方を指差したが、小十郎はシャツの襟元を広げて見せた。
「早く脱げって誘ったのはお前だろ?」
「は!?誤解だよそれ!!もーいいからさっさと行け!風呂場に!!」
顔を赤くする佐助に噴き出し、小十郎は佐助の手を取って風呂場に向かった。何をするのかと思えば服の上から水を浴びせた。張り付く服に気持ち悪さを感じたが小十郎が真面目に傷口を洗うので何とも言えない。
「・・・先に胸の消毒しとけ。それと俺の服勝手に漁れ」
さっさと出ろと言わんばかりの小十郎に首を傾げ、佐助はそれでも浴室から出て服を脱いだ。
(・・・危うく手を出す所だった)
風呂場に残った小十郎は頭から水を被って反省した。
部屋に移動した佐助は小十郎の部屋から丈の合わないズボンを探すとすぐに穿いて救急箱に手を伸ばした。
「・・・思ったより浅そ・・・良かった」
前に一度マネージャーに怒られた過去があり、佐助は安心して消毒液を吹きかけた。染みすぎて正直泣きそうだったが、そこは耐えた。
「どうだ?傷は」
「ん、思ったよりも大丈夫そう。小十郎さんは?左手」
「・・・人の心配はするんだな」
隠していたらしい左手を出すと、力一杯に殴ったのか肌が抉れて骨が見えている。佐助は眉間に皺を寄せ、小十郎を手招きした。
「全くもう・・・小十郎さんてキレると手に負えない人でしょ?」
「さぁな。最近はキレた事も無かったから知らねぇよ」
「・・・・・・」
手に包帯を巻きながら佐助は顔が熱くなるのを感じた。聞きようによってはそれだけ「本気」だったという事になる。大きな手に白い包帯は痛々しかったが、似合っているとも思った。
「ハイ終わり」
「・・・ありがとな」
「どういたしまして。・・・」
「・・・」
沈黙が痛い。
佐助は煩い心臓に戸惑い、何も出来ない。小十郎は手当てをしていた場所から退かないが、それは佐助を信頼しているからだと思っている。救急箱に色々戻しながら佐助はこれからどうしようかを考えた。
「・・・佐助」
「何?」
「怖くなかったのか?ガキの喧嘩とは違ったんだぞ?」
「・・・小十郎さん、その内ガキに刺し殺されても知らないよ?最近のガキは武器なら何でもいいんだからさぁ。普通に殴り合いしてた時代じゃないんだから」
いかにも「経験者です」という発言に小十郎は言葉が出ない。ジェネレーションギャップとまではいかないが多少ショックがあったのは確かだ。
「そういう場所を、お前は過ぎてきたと」
「まぁね。幸が来てからは大人しくしてたんだけど・・・あ」
「やっぱりか」
腕を組んで溜め息を零す小十郎に佐助はばつが悪そうに俯いた。
「・・・そんな誘導尋問しなくたっていいじゃん・・・」
「ほぼ確定だろ。・・・で、どうだったよ?」
「・・・なんで?喧嘩なんていいもんじゃないでしょ?どっちかが怪我すんだから」
平和主義者だと言いたいらしいがやっている事が既に非平和主義者だ。
それでも道理を通す佐助に小十郎は苦笑した。
「・・・ああいうのに、俺はよく巻き込まれる」
「だろうね。坊ちゃんのボディガードなら」
「怪我だってこんなモンが済まねぇ時もある」
「よく小指無い人見るもんね」
「お前を今日みたいに巻き込んじまうかもしれねぇ」
「もう巻き込んだじゃん」
「もっと怖い思いをさせちまうかもしれねぇ」
「・・・何が言いたいの?」
佐助が流石に疲れたという顔で小十郎を見上げると、いつもより真剣に佐助を見ていた。元々男前な顔立ちをしているのもあり、佐助は顔が熱くなる。
「・・・俺は、な」
それでも小十郎から目を離さない出ると、小十郎が視線を外して咳払いをした。顔は些か赤い。
「その・・・この歳になって何なんだが、守りたい奴が出来た」
佐助の目をしっかりと見て小十郎は言った。だが、次に話す時には眉間に皺が寄っている。
「でも、怖い思いはさせたくねぇ。だから嫌なら嫌って言って欲しい」
「・・・小十郎さん、俺に何が言いたいの?」
「・・・それは、だな」
佐助は小十郎が何を言いたいのか判っていて聞いた。小十郎の手を取り、佐助は首を傾げて見せた。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・好きだ、お前のことが」
「・・・よく言えました」
沈黙の後の言葉に佐助は満足そうに笑った。小十郎はその一言に顔を赤くして怒鳴ろうとしたが、身を乗り出した佐助にそれは止められた・
「・・・こういう時は俺からするもんだろ」
「決まってないでしょ?そんなの。俺様がしたかったんだから」
「とんだ奴好きになっちまったな」
佐助の背に腕を回し、小十郎は口元を綻ばせた。佐助はその行動に驚いたが、小十郎の首に腕を回した。
「・・・今日はどうする?」
「ん?ご飯食べて帰るよ。家に帰っても幸居ないだろうし」
「いや、そうじゃなくて」
佐助の顎を持ち上げ、唇を舐めると小十郎は悪戯っぽく笑った。
「泊まんねぇのか?」
「・・・怪我人に手ぇ出すんですか、最近は」
佐助から離れると小十郎はキッチンの方へ歩いて行った。佐助はそれを見送り、口元を指で拭った。
「何期待してんだ?別に何もなくても構わねぇよ」
「・・・絶対何かするくせに」
「若いってのは良いもんだな、元気で」
「あんたまだ29だろ!?」
流石に恥ずかしくなり、佐助は小十郎に言い返した。
二人が明日、どうなっているのかはこれからの行動次第。
小十郎は「飼い猫」を見て、優しく笑った。
あとがき
…やりたいことをやったので言い残すことはない。
だがあえて言おう!これは駄文だ!!
それでも読んで下さった人がいるならショウは本望です。
お付き合いありがとうございました。
出来たらこの設定膨らませたいなぁ…無理かな?
PR
トラックバック
トラックバックURL: